従来の溶解工程では、攪拌タンク内でプロペラ型やディゾルバー型などの撹拌翼を使用し、溶媒などの液体中に、被溶解物である固体粒子等を分散させ、強力なエネルギーを与え、被溶解物と液体間に速度差を生じさせることにより、接触面から徐々に溶解させていく工程がなされております。
課題
●溶解時間の長時間化、ランニングコスト高
ダマになりやすい被溶解物は、比表面積が小さいため、溶解時間が長時間になる傾向がある。
粒子表面と液とを十分に接触させるために、堆積粒子を流動化させるが、撹拌機の回転数をむやみに上げても、 溶解速度は増加せず、攪拌所要動力のみ増加する傾向がある。
●溶解不足の懸念
タンク内で得られるせん断が均一ではないため、 大きい被溶解物を粉砕し、比表面積を大きくすることが困難である。
●安全性
撹拌機は、オーバーハング構造のため、高速回転している攪拌翼に粗大粒子が接触した場合、軸ぶれが発生し、異常振動の原因となる。
最悪の場合、軸が変形し、攪拌タンクの破損、処理液の流失、重大事故に繋がる可能性がある。
解決・効果
PUCバイブロリアクタを使用した場合のメリット
1. 2段構造により閉塞せずに解砕・溶解
上段のブレードにより、大型処理物を閉塞せずに1次解砕・溶解、下段のロータ及びステータの間隙部で、さらに細かく2次解砕・溶解。これにより、高粘度・高濃度・難溶性溶解物の処理が可能となる。
2. 高効率混合・解砕構造
被溶解物は、必ず粉砕処理室内を通過するため、確実に解砕・溶解される。また、被溶解物と液体の間で速度差を生じさせることが可能である。
これらの相乗効果により短時間溶解が可能となる。
3. ポンプ不要の強力な吐出能力
送液効率の高い構造により、処理物移送用ポンプを必要としないため、次工程への送液用途としても使用が可能。
4. 洗浄が容易
ロータが回転することにより自浄作用が働き洗浄性が高い。
また、分解が容易に行えるため、分解洗浄も容易である。